ビデ角度の調整はできるか？

温水洗浄便座は、おしり洗浄のためのノズルを持っている。
ここからお湯を発射して洗浄するわけだ。

このノズルの角度だが、自分に調整はできるのだろうか？
結論からいえば、角度の調整はできないようだ。


温水洗浄便座の代表格といえば、ＴＯＴＯのウォシュレット。ノズルの角度は43度となっているが、角度を決めるため、全社員のお尻の位置を調べたという逸話がある。

社員一人一人に、縦横に糸を張り巡らした便座に座らせ、肛門の位置をマーキングしてもらったそうだ。統計をとった結果から、「４３度」という絶妙な角度を割り出したという。

ちなみに、INAXの場合は70度とのこと。ＩＮＡＸによれば、肛門洗浄の汚れが前部に行くことを軽減したという。70度という角度は、真下近くになる。肛門の線浄水が、どこにもいかずに便座に落ちるので衛生的に安心ということだ。

洗浄するポイントが微妙に違うのは面白い。各社の便座に座る機会があれば、噴射角度の違いを味わってもらいたい。



一方、女性の局部へ温水が当たり洗浄するのが「ビデ」だ。女性のビデ洗浄も角度が違うのだろうか。

当然ながら、肛門洗浄とは温水の噴出角度が異なる。TOTOの、ノズルで１本の対応する便座では、ノズル内に別の配管を設けて53度の角度で噴出している。INAXやパナソニックの角度は、別のノズルを設置して噴出するタイプとなっている。

ビデの角度を求める際にも、全女性社員のデータをとったのだろう。開発当時の苦労がしのばれる。


多くのデータと深い計算の上で、洗浄角度を割り出しているようだ。統計上もっとも適した角度にセットしていることになってはいるが、肛門やビデの位置は、個人差もあるだろう。角度を調整したくなる気持ちもわからないでもないが、調整できるようには作られていない。

ほとんどの温水洗浄便座は、洗浄ノズルが前後に調整できるはずだ。ノズルの位置を調整することで、快適なトイレタイムに終止符を打ってほしい。

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