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水洗トイレ(洗浄方式) [水洗トイレについて]

では、前回に引き続き、水洗トイレの仕組みに触れよう。今回は洗浄方式について。トイレには、洋式と和式があるが、洋式のほうがバリエーションに富んでいる。まずは洋式から。

方式の説明は、下位にいくほど、溜水面が広くて臭いが少ない。その分、便器の価格は高額となる。


■ 洋式の洗浄方式


・洗い落とし式
 水勢のみを利用して汚物を排出する方式。安価で構造も簡単であるが、洗浄時に水はねや、やや大きい洗浄音が発生しやすい。洋式便器の登場期には主流であったが、現在は採用例が減ってきている。


・セミサイホン式(TOTO)/ネオボルテックス式(主にINAX)
 洗い落とし式の改良版。水勢と渦作用を組み合わせて汚物を排出する方式。洗い落とし式より溜水面が広く、洗浄音も抑えられている。TOTOの床排水便器でのセミサイホン式はサイホン作用を利用する。TOTOでは、ネオボルテックス式を「ニューボルテックス式」と呼称し、パブリックトイレ向け便器の一部で使用されている。


・ワイドボルテックス式(INAXのみ)
 ネオボルテックス式と構造は同じ。溜水面がサイホン式と同等に大きくなっている。広義のセミサイホン/ネオボルテックス式に含まれる。排水芯が床上155mmのマンション向け取替専用大型便器において、2006年4月から採用された。マンション用の場合、排水芯高さの関係でサイホン式を導入しにくいことから、このような方式となる。
 (TOTOも2006年10月にマンションリフォーム用に新しい洗浄方式を導入)


・サイホン式
 排水路を屈曲した形状とすることでサイホン現象を発生させ、その吸引作用で汚物を排出する方式。汚物がすぐ水中に沈むため、臭気が発散しにくい。洗い落とし式に比べ価格が高めなことから、高級機との位置づけだったが、日本人の体格向上により大型便器が好まれるようになったこともあり、現在では水洗トイレの主流。


・サイホンゼット式
 基本構造はサイホン式に準じる。排水口近くにあるゼット孔からの水勢を利用し、より強力なサイホン作用を発生させて汚物を排出する方式。溜水面はかなり広く、汚れが付着しにくい。使用水量が多い(1960年代は20リットル、のちに13リットル)のが欠点。パブリック用では比較的以前から多く採用されていたが、住宅用では10リットル以下への節水化が進んだ1990年代以降に普及。現在、TOTOの住宅用では比較的多く採用されている方式。使用水量は、ゼット孔からの水が7割で、上部からの水は3割程度。


・ブローアウト式
 基本構造はサイホンゼット式に準じる。ゼット穴からの吐水を強めた洗浄方式。素早くサイホン作用を発生させ、洗浄速度が速くなる反面、一定以上の水圧が必要なので、水道直結式のフラッシュバルブとの組み合わせが必須となる。水圧が必要なことから、圧力の足りないビルの高層階等では使用できない場合も。洗浄音はやや大きい。


・サイホンボルテックス式
 サイホン式の一種。ゼット穴ではなく排水口横に設けた穴から溜水面内に、渦を巻くように静かに水流を起こすことで、サイホン作用と渦作用を組み合わせて汚物を排出する方式。タンク一体型のワンピース便器で採用されている。サイホン作用中もタンクから排水口に水が流れることから空気の巻き込む音がほとんど無く、洗浄音はきわめて静かである。溜水面をきわめて広く取れることから便器内への汚れの付着もほとんどない。構造上洗浄水量が多くのが難点で、節水便器としにくい。最近ではサイホン式/サイホンゼット式を採用したワンピース便器に取って代わられる傾向にある。


・水道直圧式
 シーケンシャルバルブ式(TOTO)/ダイレクトバルブ式(INAX)。
 水の流れを、洗浄→排出→水溜めの3ステップに分けて汚物を排出する方式。水道直結式であるタンクレストイレで採用されている。タンクへの水溜め時間がないため、連続使用が可能。溜水面はサイホンゼット式に近く、洗浄水はゼット口と便器上部から出る点も同じ。TOTO、INAXとも最新モデルは大6リットルでの洗浄が可能になっている。いいとこ取りのようだが、欠点もある。電気的制御のため、停電時などには手動で水を流す必要があるし、水圧の低い場所では使えない。欠点解消のため、INAXの「サティス」では「低流動圧対応ユニット」がオプションで用意されている。TOTOの「シーケンシャルバルブ式」は一部カタログの表記では「サイホンゼット式」に含まれることもある。


・ターントラップ式(パナソニック電工)
 水の流れを、洗浄→排出→水溜めの3ステップに分けて汚物を排出する方式。トラップを可動式とし、電気式制御を行う。パナソニック電工の高級機種にて採用されている。このタイプも大6リットルでの洗浄が可能。


・ハイブリッドエコロジーシステム(TOTO)
「シーケンシャルバルブ式」をベースに水道直圧式と小型タンクを組み合わせた。水道から直接流れてきた水はボール内の洗浄に、内蔵タンクからの水はポンプで加圧してゼット穴部分から勢いよく噴出させる新洗浄方式。これにより、従来、タンクレストイレが使えなかった水圧の低い場所(戸建て2階、マンションの高層階、高台など)でも使用可能になっている。「ネオレストハイブリッドシリーズ」で採用。大4.8L・小4Lでの洗浄が可能である。


洗浄方式にも、進化の過程がうかがえ、読んでいるだけで楽しい。水洗トイレに入るときには、給水と洗浄を確認するのも一興といえる。



最後に、和式の洗浄を。

和式の洗浄方式で、洋式と異なるのは「洗い出し式」の1つだけ。

「洗い出し式」
 金隠し下に排水口を、便器後ろ側の便鉢部分には浅い水たまりをそれぞれ設け、使用中は汚物をいったん便鉢部分にためてから、水勢で汚物を排出する方式。洋式の洗い落とし式に似ているが、汚物が空気に触れるため臭気が発散しやすい。洗浄音もかなり大きい。しかし、構造が簡単な上、洗浄水量が少なめで済むことから、和式便器の主流となっている。


以下は、洋式と同様の仕組みなので省略する。
 洗い落とし式
 サイホンゼット式
 ブローアウト式
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